かごしま犯罪被害者支援センター設立趣意書
ある日突然、身体を傷つけられたり、大切な命を奪われたりする悲惨な事件や事故が多発しております。
犯罪の被害の遭われた多くの被害者やそのご家族、ご遺族(以下「被害者」という。)は、自分の意思にかかわりなく、また、何の落ち度も責任もないにもかかわらず、生活や人生が一変する事態に陥ります。
心に深い傷を負い、長年にわたり絶望感や孤独感に苛まれたり、失職や転職により、経済的に厳しい状態に追い込まれたりするといった痛ましい例を目にする度に、犯罪が引き起こす被害の底知れぬ深さを思い知らされます。
近年、我が国においても、被害者の置かれている現状や支援の必要性に対する認識が高まり、被害者が長年待ち望んだ犯罪被害者等基本法の制定や、被害者参加制度を盛り込んだ刑事訴訟法の改正等、社会制度も徐々に整備されてきました。
このように国が被害者支援を具体的に進める中で、民間における支援団体の役割も大きくなっております。
私たちは、誰もが被害者となり得る現実を、「明日は我が身」のこととしてとらえ、ボランティア支援活動員による電話相談や専門家による面接相談等を行い、また、社会全体が被害者をサポートする環境作りに寄与することを目的として、平成17年3月、「かごしま犯罪被害者支援センター」を設立いたしました。
私たちが、被害者の期待に応え、多種多様な支援活動を充実させていくためには、活動内容が社会から認知されることや、十分な活動ができる組織基盤を確立することが大変重要であります。
このような課題を克服し、一層の活性化を図り、公益性の高い活動を推進するため、平成18年3月に任意団体を社団法人化し、更に、平成23年4月には、時代の要請に添い、公益社団法人へ移行しました。
この間、鹿児島県公安委員会から「犯罪被害者等早期援助団体」としての指定も受け、役務の提供等の直接的支援も行っております。
私たちは、被害者が1日も早く被害から回復され、再び地域において平穏な生活に戻ることができるよう、専門家や行政機関、他の団体等と連携し、より適切な支援に努めてまいります。
今後とも、皆様の温かいご理解とご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
平成23年4月1日
公益社団法人かごしま犯罪被害者支援センター
設立代表者 久留 一郎
※平成23年4月1日付 公益社団法人として認定されました。